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それから柴田錬三郎先生と親しく交際していたのは、ちょっとした驚きでした。柴錬先生とは、いちど、帝国ホテルのレストランで会食させていただいたことがありますが、苦虫を噛みつぶしたような印象とは大違いで、いかに子ども向けの作品を書くのがむずかしいかを力説してくださいました。一時、小説で生活ができない時期があったそうで、そのときは、奥様が営業してもらってきた子ども向けの名作読物などで、糊口をしのいでいたのだとか。
柴錬先生は、「子どもは、書き手のネームバリューなど関係ないし、つまらないと思ったら、遠慮会釈なく放り投げる。子どもほど冷酷で面白さに貪欲な読者はいない」と話し、「あの子ども向けの仕事の体験があったからこそ、直後に始まった『眠狂四郎』を書くことができたんだ」と締めたのでした。
"— 読書:『ロング・グッバイのあとで』(瞳みのる):すがやみつるblog
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